ソグネフィヨルド探訪記


    

 以前にノルウェーを旅した時、首都オスロから第2の都市ベルゲンまで鉄道で移動し、そのとき、かねてよりの願望だった、世界最大のフィヨルドと言われる、ソグネフィヨルドを全体にわたって航海しました。フィヨルドを実際に旅した経験を写真と地図でご紹介します。




地図をクリック ⇒ 詳細図
地図1  
(株)帝国書院 『最新基本地図43訂版』を使わせていただきました
 





旅の概要

 
フィヨルド全体を示す地図は、オスロの大型書店で購入しておいたものです(特にソグネフィヨルドの地図というわけではなく、ノルウェーの中南部を示す325,000分の1の地図からフィヨルド部分を抜き出したものです)。

 7月21日朝、オスロ中央駅をベルゲン行き特急で出発。途中のミュルダールでフロム鉄道に乗り換え、標高差800m以上を1時間ほどで一気に下り、フィヨルドの港フロムへ。そこからフェリー2時間のフィヨルド航海でグドヴァンゲンへ。そこからバスとベルゲン行き鉄道でベルゲン着(
この行程はフィヨルド観光で1番人気の定番コースです)。

 7月22日はベルゲン市内観光。

 7月23日朝、ベルゲン港発フロム行きの高速観光船で出発。この観光船の存在は、前日ベルゲンの観光案内所でソグネフィヨルドへ行く方法を尋ねたとき教えてもらった。
    
 ソグネフィヨルド本筋から途中でフロム方面の支フィヨルドへ入る地点(地図C地点)で、海の真ん中で現地フェリーと横付け。船から船への移乗が可能と説明された。私はフィヨルド本筋をもっと奥へ行ってみたかったのでフェリーへ移乗。途中でフェリーを1回乗り継ぎ(地図D地点)、最奥部(地図E地点)まで到着。次の船便でフロムへの帰途についた。(北方へのフィヨルドのほうがE地点より奥は深いが、そちらはフェリーが奥まで行っていない)。



        
 


 

        


 地図2    ソグネフィヨルド全体地図
 
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 7月21日

  フロムからグドヴァンゲンまでのフェリー
 
 
 

写真1   地図2のF地点あたり(地図3のAあたり)

 グドヴァンゲンへと向かう、ソグネフィヨルドの支フィヨルド(ネーロイフィヨルド)で、このあたりは水路の幅は広くないのですが、両岸の断崖によって、フィヨルドの険しさが余計に引き立ちます。地図3で見ると、このあたりはまだ水深が300 m ほどあります。

 この船はフロムとグドヴァンゲンを結ぶフェリーで、地図2の詳細図を見るとわかるように、この2地点を結ぶ道路はまだ工事中で(赤い破線)、他に交通手段は無く、この地域の重要な足となっていたのですが、観光のメインルートになっていたこともあり、乗客のほとんどは観光客でした。


 この時から年数が経っており、グーグルマップで見ると、現在はこの2地点を結ぶトンネル道路が完成しており、地域交通の主流はそちらへ移っているようです。しかし沿岸の集落へ寄りながら、航路も残っているようで、観光のメインルートとしてのフェリーも健在だとインターネットでは書かれています。





写真2      地図3のBあたり
フェリーの終点、グドヴァンゲンへ近づき、フィヨルドの幅はさらに狭くなってきました。 地図3で見ると、水深は数10メートルに浅くなっています。

フロムからグドヴァンゲンへ向かう、このようなソグネフィヨルドの支フィヨルドは、フィヨルドの険しさが際立ち、観光客には印象的ですが、ソグネフィヨルド本筋を見ないと、フィヨルドの全体像が分からない面もあります。



 

     


 地図3    グドヴァンゲン付近地形図
 拡大図 ⇒ 地図をクリック
 
この地図で見るとわかるように、グドヴァンゲンへ向かうネーロイフィヨルドは特に両岸が急峻な崖となっており、その崖の上は標高1500 m にも達する高地となっています。
またグドヴァンゲンから先、陸地になってからもフィヨルドの特徴であるU字谷は続いていることがわかります。









 7月23日

  ベルゲンから出発 
ソグネフィヨルドに大西洋から入り込み、最奥部へ
 

  
 
 
写真3      地図2のH地点あたり。
大西洋からソグネフィヨルドへの入口あたりで、このあたりはまだ低い島が散在している。




写真4
この高速船は30ノット(時速55キロ)は出ていたと思われ、風を受けてこんな頭に。
地図2のA地点あたり。フィヨルドは幅が3~4キロあり、広々としている。
 





写真5      地図2のB地点。
ソグネフィヨルド沿岸で出会った一番大きな町で、周囲の景色もいいことからホテルもある。ここで1泊しようと話しながら下船した日本人カップルがいた。後方の冠雪している山は標高1500メートルほどある。





写真6
地図2のB地点とC地点の中間あたり。高速船のスクリューの波立ちを後ろに見て。




 
写真7     地図2のC地点。

三叉路になっているフィヨルドの海のど真ん中で船同士が接舷し、一部の乗客が乗り換える。左の船がベルゲンから乗ってきた高速船で、右の船はフィヨルドの奥部からやって来て、これからグドヴァンゲン(2日前に下船した港)へ向かう。このあと、フィヨルドの奥部へ向かう船とも接舷し、その船に私は移乗した。
 




写真8       同じく C地点。
去っていくのは、ここまでベルゲンから乗ってきた高速船。これからフロム(2日前に乗船した港)へ向かう。

船の時刻表にはこの場所を「Midtfjords:『フィヨルド中央』の意味」と書かれており、地図にそんな地名は無く、この光景を見て、初めて意味がわかった。このとき撮影しているのは、これからフィヨルド奥部へ向かうフェリー上から。 

 
 
 



 
写真9
地図2のD地点の対岸(すなわち南側:地図の下側の岸)。
E68という幹線道路がここでぷっつり途切れる。フェリー桟橋があり、対岸へ続くこの幹線道路はフィヨルドをフェリーで渡るしか手段がない。ノルウェーのフィヨルド地形の険しさを象徴する光景です。

ソグネフィヨルド本筋の幅は3キロほどあり、橋は掛けられない。フィヨルドの水深は 900mほどもあり、橋脚は立てられない。また、現在世界最大の吊り橋は、明石海峡大橋(中央支間長(主塔2本の距離)1,991m)と、トルコのチャナッカレ橋(同2,023m)の2キロメートル級です。さらにフィヨルドの特徴として、急傾斜の崖がそのまま水面下へも続いており、いきなり数百メートルの水深になる。吊り橋の主塔など、とても建設できない。
(次の地形図の水深数値参照:単位はメートル)
 





下の地図は、この場所の詳細を示す 50,000分の1の地形図です。
地図2の長方形で示している部分です。

下の地図でフィヨルド南岸の Revsnes と書かれているのが上の写真の場所です。

実際にフィヨルドを見た後、もっと精密な地形図で地形を確かめたいと思い、帰りにオスロへ寄ったとき、数日前に全体地図を買った書店を再び訪ね、要所の地形図を2枚ほど購入したものです。


この地図で見ると、北岸はフィヨルドにしてはやや険しさが弱く、道路も建設出来ていますが、南岸は海岸からいきなり1,000メートル~1,500メートルの山まで断崖が続いており、海岸にかろうじて途中まで道路が作れているに過ぎない状況がわかります。

そして、崖の上はいく分なだらかな台地状の土地となり、池か湖のようなものも点在しています。
 
 海の中の、青の数字が水深(メートル) 
 地図4        地図の拡大図 ⇒ 地図をクリック








 
 
写真10       地図2のD地点
上の写真9の対岸です。この入り江の奥には港(地名Kaupanger)があるだけですが、この写真に写っているように、ソグネフィヨルド奥部の各方面からのフェリーが頻繁に出入りしており、フェリーの中継基地となっています。私がC地点から乗ってきたフェリーもここで終着し、別のフェリーに乗り換えてE地点へ向かいました。
またここは、対岸の写真9で途切れた幹線道路が、フェリーで渡って再び始まる地点でもあります。
 




 
写真11        
地点Dから地点Eまでの途中のソグネフィヨルド本筋の様子。
最初の2枚の写真(支フィヨルドであるグドヴァンゲン付近のネーロイフィヨルド)より水路幅は広いが、崖はここも険しい。
 
 





 写真12
やっとソグネフィヨルドの最奥部E地点に着いた。フィヨルドとしての水面は終わるが、U字谷はその奥へ続いていることがわかる。滝が見えるが、どういうわけか崖の途中から水が流れ出している。




 
写真13
地点Eからフィヨルドを見る。これがソグネフィヨルド終端の光景です。





 写真14
  地点Cで迎えた日没。




 
写真15     同じく地点C。
陽がほぼ落ちて、山の形状が見えてきました。これがソグネフィヨルド本筋の姿です。




 
写真16
地点Gから見るグドヴァンゲン方向の支フィヨルド、ネーロイフィヨルド。
この日、ソグネフィヨルド本筋から支フィヨルドをいくつも見てきて、このネーロイフィヨルドは際立って険しい雰囲気の支フィヨルドであることがわかりました。だからこそ、観光客にはこの航路が人気なのでしょう。

 2日前に私も利用したフロムからグドヴァンゲン(その逆もあり)のフィヨルド観光コースが人気なのには、次の3つの理由があります。
1.オスロからベルゲンに向かう幹線鉄道から少し寄り道をするだけでフィヨルド観光ができること。
2.航海の時間が2時間と、気軽に利用できる航路なこと。
3.上にも書いたように、フィヨルドの圧倒的な険しい雰囲気を体験できること。


このあと夜の闇がやって来て、そして間もなくフロムに到着し、この日の航海は終わりました。
 







 
地理を私の趣味にしてくださった、岡山朝日高校の三木勇先生への感謝をこの場に添えさせてください。 





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