日系人強制収容
その数字(Uボートが米国東海岸で沈めた連合国船舶のトン数)があまりにも衝撃的だったので、詳細はアメリカ国民には秘密にされていた。その代わりに公の報道では、海軍がUボートに対して 「強力な対抗措置」 を取っていることが強調され、2月にはフランク・ノックス海軍長官が、少なくとも3隻のUボートが撃沈され、他の4隻が損傷したという 「非常に控えめな推定」 を発表した。
同じくらいに多くのマスコミの関心が、バンクーバーからサンディエゴまでの西海岸沖に展開している9隻の日本の潜水艦に向けられたが、その破壊力ははるかに小さかった。西海岸で伊号潜水艦が沈没させた船はわずか5隻、3万トンに過ぎなかったが、マスコミ報道はその脅威とは釣り合わないほどの警戒心を創り出した。アメリカ国民が特に衝撃を受けたのは、2月に伊-17潜水艦が甲板砲から10発の砲弾をサンタバーバラ近くの石油精製所に撃ち込んだときだった。翌日の新聞は全段抜きの大見出しでこう告げた。 「潜水艦がカリフォルニアの石油プラントを砲撃」。 この報道が引き起こしたパニ
ックに近い状況を受けて、ルーズベルト政権は、沿岸部から離れた移住キャンプに日系アメリカ人を収容するという、今では悪名高い計画を承認した。
[ (訳注) 真珠湾攻撃から2ヵ月後のことだった ]
『海の第二次世界大戦』より抜粋
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